リサと悪魔(1973)

『LISA AND THE DEVIL』

  • 映画名:リサと悪魔
  • 原題: Lisa e il diavolo
  • 制作国:イタリア
  • 1973 1時間35分
  • 監督:マリオ・バーヴァ
  • 出演者:テリー・サヴァラス 、 エルケ・ソマー 、 シルヴァ・コシナ
  • ジャンル:ゴシックホラー/超自然・オカルト系

マリオ・バーヴァ監督が手掛けたゴシックホラーの名作である『リサと悪魔』は、美しい映像美と神秘的なストーリーが特徴の作品です。人間の欲望、死、超自然の力をテーマにし、不気味で幻想的な雰囲気が漂う物語が展開されます。

あらすじ

物語の主人公は、スペイン旅行中の美しい女性リサ。彼女は観光地で不気味なフレスコ画を目にし、そこに描かれた悪魔と瓜二つの執事レアンドロに遭遇します。その後、リサは帰路を失い、不気味な屋敷に迷い込みます。

屋敷には奇妙な住人たちが住んでおり、彼らの間では人間関係の緊張が高まっていました。リサは次第にこの家の秘密や、死と再生を巡る奇怪な儀式に巻き込まれていきます。屋敷で繰り広げられる恐怖と幻想の中、リサは現実と悪夢の境界が曖昧になる世界で生き延びる術を模索します。

見どころ

  • 圧倒的な映像美
    マリオ・バーヴァ監督ならではのゴシック調の美しい映像表現が随所に光ります。屋敷のセットや照明の使い方が独特で、不気味さと美しさを同時に感じさせます。
  • 神秘的で寓話的なストーリー
    物語は明確な答えを提示せず、観る者に解釈を委ねる部分が多いです。登場人物たちの行動や出来事が象徴的で、夢と現実が交錯する展開が続きます。
  • レアンドロ役のトリー・サトンズ
    悪魔の化身であるレアンドロを演じるトリー・サトンズの存在感が際立っています。彼の静かな狂気と不気味な雰囲気が物語に深みを与えています。

注目ポイント

結末の謎めいた余韻
最後まで答えを明確にせず、観客に解釈を委ねる終わり方が、この作品の魅力のひとつです。

超自然と現実の融合
超自然的な力が支配する屋敷の設定が、不気味でありながらも魅力的。特に儀式的なシーンや、登場人物が次々と奇妙な死を迎える描写が印象的です。

音楽の効果的な使用
ゴシックホラーにふさわしいクラシカルな音楽が、物語の幻想的な雰囲気を一層引き立てています。

総評

『リサと悪魔』は、恐怖そのものというよりも、幻想的で美しい不安感を追求したゴシックホラーの佳作です。マリオ・バーヴァ監督の卓越した映像センスが光り、1970年代ホラー映画の中でも特異な存在感を放っています。ホラー映画という枠を超えた芸術作品として、多くのホラーファンや映画愛好家に愛されています。


おすすめ度

おすすめ度:★★★★☆
幻想的で哲学的なホラー映画を好む方や、マリオ・バーヴァ監督の映像美を楽しみたい方に特におすすめです。ただし、ゆったりとした展開や抽象的なストーリーのため、直球の恐怖を求める方にはやや向かないかもしれません。


評価(星5段階評価)

ユニーク度:★★★★★
ホラー映画としての形式美を重視し、芸術性が高い点で他作品とは一線を画します。

ストーリー:★★★☆☆
抽象的で謎めいた構成が好き嫌いを分けますが、雰囲気を重視する人には魅力的。

映像美:★★★★★
ゴシックホラーならではの緻密で美しい映像が作品の最大の魅力。

キャラクター:★★★★☆
レアンドロをはじめとする登場人物の不気味さが秀逸。

ホラー度:★★★☆☆
明確な恐怖というより、不安感や不気味さを感じさせる心理的ホラー。

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