タイトル
- 映画名:スキャナーズ
- 原題: Scanners
- 制作国:カナダ
- 1981年 R15+ 1時間43分
- 監督:デヴィッド・クローネンバーグ
- 出演者:スティーヴン・ラック 、 ジェニファー・オニール 、 マイケル・アイアンサイド
- ジャンル:ボディホラー/Sci-Fi
『SCANNERS』(1981年)は、デヴィッド・クローネンバーグ監督のカルト的なSFホラー映画で、テレパシーや念動力を持つ超能力者「スキャナー」たちの暗闘を描いた作品です。生理的に不快感を煽る「ボディホラー」とショッキングな演出で観客に強烈な印象を与えました。
あらすじ
物語は、社会から疎外されて生きるキャメロン・ヴェイルという男が、自分が「スキャナー」と呼ばれるテレパシーや念動力を操る超能力者であることを知るところから始まります。キャメロンは、同じスキャナーたちを集め、彼らを兵器として利用しようとする巨大企業「コンセック」に接触され、彼の強大な能力に気づき始めます。コンセックから依頼を受けたキャメロンは、他のスキャナーたちを束ねるカリスマ的リーダー、ダリル・レヴォックとの対決に挑むことになります。
見どころ
- 超能力バトルと心理戦
スキャナー同士の対決は超能力を駆使したバトルとなり、相手の精神を破壊するような念力戦が展開されます。特に、初めての超能力バトルで敵の頭部が爆発するシーンは衝撃的で、映画の見どころのひとつです。 - クローネンバーグのボディホラー演出
超能力による暴力や、精神が肉体を支配するシーンが生理的な不安を呼び起こし、クローネンバーグ独特の「ボディホラー」要素が強く感じられます。登場人物の肉体的な苦しみが恐怖を一層高めています。
注目ポイント
- アルでショッキングな特殊効果
スキャナーが相手を攻撃する際に使用される特殊効果、特に頭部爆発のシーンは、低予算ながらもリアルでショッキング。スローモーションで撮影されたこのシーンは、視覚的なインパクトが非常に強く、映画ファンの間でも語り草となっています。 - 冷酷なキャラクターと心理的なサスペンス
レヴォックの冷徹で支配的なキャラクターが、主人公キャメロンの苦悩と対照的に描かれており、単純なヒーローVS悪役という枠を超えた複雑な人間ドラマが展開されます。
総評
『スキャナーズ』は、クローネンバーグ監督の特異なスタイルと超能力バトルを融合させた異色のSFホラーです。物理的な恐怖と超能力による精神的な恐怖が織り交ざり、観客を深い不安に陥れる作品で、B級ホラーの域を超えた完成度を持っています。低予算ながらも強烈なインパクトを残す作品で、カルト的な人気を誇るホラーファン必見の一作です。
おすすめ度
- おすすめ度:★★★★☆
クローネンバーグのファンやホラー、SFファンに特におすすめの作品です。生理的に不快感を覚えるホラー要素とサスペンスが融合した異質な映画体験が味わえますが、ショッキングなシーンが多いため、耐性がある方向けといえます。
評価(星5段階)
- ストーリー:★★★☆☆
超能力者たちの対決という設定はシンプルですが、クローネンバーグの演出によって緊張感とサスペンスが高まっています。 - 特殊効果:★★★★☆
低予算ながらも頭部爆発などリアルで衝撃的な特殊効果が特徴で、映画の中でも印象的なシーンがいくつかあります。 - キャラクター:★★★★☆
主人公キャメロンと敵役レヴォックのキャラクターが際立っており、両者の対立が映画のドラマを強めています。 - ホラー度:★★★★☆
超能力による精神的・生理的恐怖とショッキングなビジュアルが、ホラー映画としての完成度を高めています。 - ユニーク度:★★★★★
SFホラーとしての独特のテーマとクローネンバーグらしいボディホラー演出が唯一無二の映画体験を提供しています。