『ゾンビ・サステナブル』は、キア・ローチ=ターナー監督によるオーストラリア製アクションホラーで、2014年に公開された『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』の続編です。同じ世界観を引き継ぎ、人類がゾンビと化してしまった終末的な未来を舞台にしたスリリングな物語が描かれます。
あらすじ
近未来のオーストラリア、ほとんどの人類が謎のウイルスによってゾンビと化してしまった。文明は崩壊し、生き残ったわずかな人々は、恐ろしいゾンビの脅威と荒廃した環境の中で生き延びるために日々戦いを繰り広げていた。元兵士のリース(ルーク・マッケンジー)は、荒廃した世界で残忍なボスに仕えていたが、次第にその残酷な行為に嫌気が差し、反乱軍に加わることを決意する。反乱軍の目的は、ゾンビウイルスの治療法を見つけ出し、残された人類を救うことだ。リースは反乱軍と共に、ウイルスの治療の鍵を握る少女を救出するため、ゾンビが徘徊する危険な地域へと向かう。しかし、その任務は想像を絶する困難と危険に満ちていた。ゾンビの大群だけでなく、人間同士の裏切りや暴力も彼らを待ち受ける。リースと反乱軍のメンバーたちは、少女を守り抜き、治療法を手に入れることができるのか? それとも、この終末的な世界で希望はすでに失われているのか?
『ゾンビ・サステナブル』は、血沸き肉躍るアクションとスリル満点のホラー要素が融合した、緊張感あふれる作品です。ゾンビの恐怖と人類の生存をかけた戦いが、再び繰り広げられます。
感想
『ゾンビ・サステナブル』は、ロー・バジェット(低予算)映画でありながら、その見た目のチープさを大幅に改善し、アクションや脚本、編集のクオリティが前作と比べて大きく向上した作品です。続編でありながら、新鮮な展開と独自のアプローチが特徴で、前作の繰り返しに陥らないよう工夫されています。
まず、物語の世界観やキャラクターは前作を引き継いでいるものの、話の運び方が異なるため、観客は新しい気持ちで楽しむことができます。特に序盤では、登場人物が善人か悪人か判別しにくい展開が魅力的で、その意外性が物語に深みを与えています。さらに、ゾンビがメタンガスを吐き、それを燃料にして車や機械を動かすという独創的なサステナブルな要素も見どころですが、あくまでその発想が作品のメインテーマではないため、軽い驚きを伴いながらも、楽しめる要素として受け入れられます。
アクションシーンや編集に関しては、スピーディーな展開と多数のカット割りが印象的ですが、そのために少し印象に残りづらい部分もあります。しかし、ゾンビメイクや美術面に関しては非常に良く作り込まれており、ロー・バジェットでありながら、B級映画というカテゴリーに収まりきらないクオリティの高さが感じられます。
全体として、『ゾンビ・サステナブル』は、前作からの進化をしっかりと遂げ、スリルとアクション満載の作品に仕上がっています。ゾンビ映画ファンはもちろん、アクション映画としても十分に楽しめる作品です。
題名 | ゾンビ・サステナブル |
原題 | WYRMWOOD: APOCALYPSE |
製作年度 | 2021年 |
制作国 | オーストラリア作品 カラー映画 |
上映時間 | 90分 |
日本初公開日 | 2022年10月21日 |
映倫 | R15+ |
監督 | キア・ローチ=ターナー |
脚本 | キア・ローチ=ターナー トリスタン・ローチ=ターナー |
製作 | トリスタン・ローチ=ターナー ブレイク・ノースフィールド |
音楽 | マイケル・ライラ |
出演 | ルーク・マッケンジー / ジェイク・ライアン / ビアンカ・ブレイディ |
その他 | 前作は『ゾンビマックス!/怒りのデス・ゾンビ』 2014年 |
- B級ゾンビ映画のわりにはチープさは無い
- ホラーの怖さはほとんど無い